Z会添削の裏側
こんにちは、今日はZ会の添削のお仕事に関するお話しです。
通信の添削指導で有名なので、一度は耳にしたことがあると思います。
添削指導に興味のある方はご覧くださいませ。
「裏側」というタイトルですが、批判したいわけではありません。
仕事スタートまでの道のり
僕は確か新聞のバイト募集の記事にこの仕事が掲載されているのを見つけて応募しました。学力を必要とする仕事なので、試験があります。
- 書類選考
- 学力試験
- 模擬添削
まず、書類選考ですが、これは履歴(職歴)書を郵送します。
うん、それだけ。
それをクリアすると学力試験です。
試験はパソコン上で行われます。問題がマークシート形式になっているので、正解の数字をぽちぽちして回答します。(僕は問題用紙を自分でプリントアウトして解きました。)
僕は数学のことしかわからないですが、2種類ありまして、1つは中学までの内容、もう1つは高校数学です。試験の出来によって、どのコースに振り分けられるかが変わるので、そういう意味でも大事な試験なのです。
高校数学の方の難易度は地方国公立大くらいだったと思います。
試験会場に行くわけではないので、調べ放題です。
それもクリアすると、模擬添削の試験です。実際の生徒のものなのか、Z会が試験用に作ったものなのか分からないですが、絶妙に間違えていて添削しがいのある解答用紙が郵送で届きます。パソコンで解答や採点基準を確認しながら、添削してみます。
Z会の添削者専用ページからお手本も見ることができるので、それを参考にしてもOK!
試験の結果が良かったせいか、模擬添削の用紙に「東大実践」とか書いてあるのもあってビビりました。
「東大?!いきなり?!」
なんとか解答とかを見ながら頑張りました。
それにも合格するとお仕事スタート!
実際やってみて
僕は大学受験コースというところに配属されました。日曜日にZ会から添削する解答用紙が届き、木曜日には発送しなくてはいけません。用紙は10枚程度で裏表があります。両面の問題を添削して最後にまとめのコメントを書きます。
受験期は問題の難易度が高く、予習するのも一苦労です。ただ、やはり添削にふさわしい選りすぐられた問題なので、予習のために解くだけで勉強になる良問が多いです。日頃自分で数学に触れていないと忘れていくので、Z会の添削をすることで鈍らずに済んだかなと思います。
添削の仕事の難しさ
添削の仕事で一番難しいのは、生徒の方針に沿った指導をすることです。理想解答を押し付けるのは簡単ですが、独自の考えで問題を解いた生徒の意を汲んで、それがなぜ違うのか、ということを文章で教えてあげないといけません。一見正しそうで、なんで答えが合わないのか分からないときは、じっくりミスを探さないといけないので大変です。何度か諦めようと思ったこともあります笑
「あーもう直接教えてあげたい」と何度思ったことか。
それと、Z会が定めた添削基準があるので、それに沿った添削をしないといけないのも大変です。また、字ももちろん丁寧に書く必要があります。誤字脱字は言語道断ですし、癖字にも気をつけないといけません。きれいに書かないと!というストレスは少なからずあるかもしれません。
やりがいはあるか
実際に対面で教える場合は、直接生徒や保護者の方から「わかりやすいです」「ありがとうございます」など感謝の言葉をもらえますがZ会の添削指導では、自分が添削した生徒の声を(どんな形であれ)聞くことはできません。
自分の書いたアドバイス等を見て、それが良かったのか、それとも悪かったのか、こちらには何も分からないのです。
添削基準を逸脱していたり、添削ミスがあった場合はZ会の社員の方から連絡が来るだけです。
なので、この仕事はあくまでお金を稼ぐための内職であり、やりがいを見出してはいけないのだと思います。やりがいを感じられるシステムにはなっていません。
添削料金
問題によりますが、およそ1枚(両面)で250円〜500円くらいです。僕の場合は300円前後が多かったです。それが1週間に10枚くらいなので、週に約3000円。毎週あったとしても月12000円です。繁忙期は20枚近くくるので、2〜3万くらいになりますが、それ以外のときは毎週来るわけではないので、おこづかい程度ですね。
慣れるまでは1枚に1時間、またはそれ以上かかることもあるので、予習の時間も含めると時給換算が悲しくなります。何枚も同じ問題を添削しているとだんだん慣れてくるので、1枚30分くらいで終わらせられるようになると思います。
上記のことを総合して、個人的にはあまりおすすめはしません。
コスパも悪いですし、なにより面倒です。Z会の採用試験を突破できる学力と健康な体力があるなら、塾などに行って直接指導した方が楽しいです。
もっと生徒のリアクションが返ってくるシステムにすればだいぶ違うのかと思いますが、ずっとやってると添削ロボットになった気がしてきますのでご注意ください。
(チャイム♬)
では、今日の授業を終わりにします。